- ACジャパンってどんな会社?
- ACジャパンのCM、広告費は誰が払ってるの?
- ACジャパンって天下り企業じゃないの?
震災や企業の不祥事がおこるとテレビCMに流れてくるACジャパン。
最近ではフジテレビの不祥事を受け、CMのほとんどがACジャパンに置き換えられました。
そんな大量に流れてくるACジャパンのCMを見て、「彼らはなにもの?」と疑問に感じたのではないでしょうか。
今回は、ACジャパンの組織の概要や天下りの噂などを解説します。
ACジャパンとは

ACジャパンは1971年に設立された非営利団体で、公共広告を通してよりよい社会を実現するため活動を行っています。
1970年代の日本は経済が急激な発展をとげるいっぽう、公共マナーの悪化や環境汚染など経済発展により社会にひずみが生じていました。
広告を通してよりよい社会をつくろうと活動しているアメリカの「AC(広告協議会)」の存在を知ったサントリーの社長佐治敬三さんが、日本でも同様の活動を行うべきだと提唱して生まれたのがACジャパンです。
ACジャパンの発足から50年が経過し、広告の力を借りてさまざまなメッセージを社会に投げかけ、視聴者に考えるきっかけを作ってきました。
なぜACジャパンの広告が流れるの?
震災など有事の際はテレビCMでACジャパンの広告を目にする機会が増えます。
なぜACジャパンの広告が流れるのかというと、有事の際は企業がCMを出すことを自粛するため企業CMのかわりにACジャパンの広告が流されているからです。
ACジャパンは1年間に20種類以上の広告を制作し、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌の4媒体に提供します。
企業広告が自粛されると、各媒体は企業CMの代わりにACジャパンから受け取った広告を流しているという具合です。
東日本大震災の時も多くの企業が自社の広告を自粛し、テレビCMのほとんどがACジャパンに変わるということが起きました。
フジテレビの不祥事では不祥事を起こした企業へのスポンサー契約を放棄する形で企業CMが打ち切られ、ACジャパンの広告に置き換えられました。
ACジャパンはどうやってお金を稼いでるの?

ACジャパンは一般企業や個人が参加する非営利団体です。
ACジャパンの活動資金は、会員企業・個人会員の会費でまかなわれています。
2024年3月時点で1078社の会員企業と84名の個人会員が、ACジャパンの活動を支援しています。
また、全国の財団法人、社団法人、NPO法人を支援する広告キャンペーンも行っており、各団体から依頼を受けて広告の制作をしています。
ACジャパンは税金や自治体の補助は一切受けていません。
参加企業の会費や非営利団体からの依頼で活動に必要な費用を捻出しています。
引用:ACジャパン団体概要
ACジャパンは広告費を払ってる?
ACジャパンがテレビやラジオで広告を出す際、メディアへ広告費は払っていません。
テレビやラジオのメディアは、一般企業からの広告費で運営されます。
有事の際は企業CMが一時的に打ち切られますが、企業に広告費を返金することはありません。
企業の自粛で空いたCM枠に、ACジャパンの広告を放送しています。
空いた枠を埋めるためにACジャパンの広告を使用しているので、ACジャパン側にメディアから広告費を請求することはないという形です。
ACジャパンは天下り機関?
「ACジャパンって天下り団体じゃない?」と感じているかもしれませんが、ACジャパンは天下り団体ではありません。
天下りとは一般的に、府省庁の幹部が退職後に関連する企業や団体に再就職することをいいます。
大手企業の幹部が退職後にグループ会社の役員になる場合も、天下りとみなされます。
ACジャパンの場合、理事役員は民間企業から選べていて、2024年6月時点で府省庁の退職者が役員にはなっていません。
現在の理事役員も民間企業の現役幹部がになっており、退職後のポストとして選ばれているわけでもありません。
なによりACジャパンは理事役員に対して報酬を払っておらず、仮に天下りで理事役員になってもお金を得られません。
ACジャパンの理事役員になる人は、団体の理念に共感して公共広告で世の中を少しでもよくしようと無償で活動しています。
まとめ
ACジャパンは、公共広告を通して世の中を良くしようと活動する非営利団体です。
有事の際などに一般企業の代わりにACジャパンの広告が流されます。
「ACジャパンって天下り機関じゃないの?」と感じることもあるかもしれませんが、ACジャパンは天下り機関ではありません。
広告を通して世の中に社会貢献したいと考える企業や個人が支える公共性の高い団体です。